千葉県農業者総合支援センターでは、JA全農ちば、(一社)千葉県農業協会、農林中央金庫千葉支店と共催で、事業承継をテーマとした「農家のための事業承継セミナー」を開催しました。
セミナーには、農業者を始め、市町村、JA、県の関係者等が参加し、メインの講演を務めた伊東悠太郎氏(農業界の役に立ちたい代表)から、期限を区切りながら少しずつ話し合いを重ね、曖昧な事業承継を、少しずつ形にしていく重要性を学びました。
また、3名の承継経験者によるパネルディスカッションも実施し、経営を受け継いだ際の苦労話や後継者へのバトンパスをどう考えているのかなどについて、活発に意見交換が行われました。
当センターでは、今後も農業者を支援する取組を実施してまいります。
[セミナー結果の概要]
1 開催日時 令和4年8月2日(火)午後1時30分~午後4時45分
2 場 所 TKPガーデンシティ千葉(千葉市)
3 参加者数 68名(農業者16名、関係機関52名)
4 内 容
(1)講演(講師:伊東 悠太郎氏(農業界の役に立ちたい代表/事業承継士))
伊東さんは、講演の中で、事業承継を次のように定義しました。事業承継とは「現経営者に万が一の事態が発生した場合でも、現経営者以外の人材で円滑に農業経営を行うことが出来る状態にしておくための一連の取り組み」である。
もし明日、親や経営者がいなくなっても経営を続けられる状態にしておくため、引き継ぐものを整理し、経営者と後継者の意識の共有を図っておくことが円滑に承継を進めるためのポイントであるとのお話がありました。
そのためのツールとして、事業承継ブックを活用し、思いや考えを目に見える形にしてほしいと強調されました。
(2)パネルディスカッション
[メンバー]
伊東 悠太郎氏(農業界の役に立ちたい 代表)
實川 勝之氏(株式会社アグリスリー 代表取締役)
髙安 恵子氏(愛東ファーム株式会社 代表取締役)
[トークテーマ]
・事業承継で苦労したことは何か?
・承継時に周囲のサポートはあったか?
・今の経営を誰に継がせたいか?何か準備していることはあるか?
・あなたはこの世に何を遺すか?
苦労したことについては、先代の病気がきっかけで、計画的な引継ぎができなかったなど、予想していなかったことが起きたために大変苦労されたお話があり、日頃から少しでも経営について考える気持ちを持っておくことの大切さが伝わってきました。
また、誰に継がせたいかについては、親族や第三者などの意見がでましたが、息子に継がせる場合であっても、強制することはせず、本人の気持ちを尊重しながら、最終的には話し合いの場を設定して、意向を確認したいとの話がありました。
その他のトークテーマについても、それぞれの思いを聞くことが出来る大変貴重な時間になりました。